ホワイトハッカーの稼ぎ方!バグバウンティについて現役ハッカーがおすすめのプラットフォームや手法を解説します。
私がホワイトハッカーとして仕事を始めたときは「ハッカー=犯罪者」という印象が一人歩きしており、中々お金を稼ぐことが出来ませんでした。しかし、現在では「ハッカー」への考え方も変わり様々な稼ぎ方が存在します。その稼ぎ方の中で私が好きなのが「バグバウンティ」です。
今回は、そんな「バグバウンティ」について詳しくお話していこうと思います。
目次
1.バグバウンティとは??
バグバウンティは、企業や組織が脆弱性を発見した人に報奨金を支払う仕組みです。
報奨金の額は、脆弱性の深刻度や影響範囲によって異なります。
バグバウンティに参加するには、企業や組織が運営するバグバウンティ・プログラムに登録する必要があります。登録後は、脆弱性を探してレポートを作成します。レポートが承認されると、報奨金が支払われます。
バグバウンティの目的は、企業や組織のIT資産のセキュリティを向上させることです。
従来のセキュリティ対策では、企業や組織が自社でセキュリティ専門家を雇い、脆弱性を探し出す必要があります。しかし、この方法では、脆弱性をすべて発見することは難しいという課題があります。
そこで、バグバウンティでは、ホワイトハッカーやセキュリティ専門家だけでなく、一般の人にも脆弱性を発見してもらうことで、より多くの脆弱性を発見し、セキュリティを向上させることを目指しています。
バグバウンティのプラットフォーム紹介
バグバウンティに参加するには、まずバグバウンティ・プラットフォームに登録する必要があります。バグバウンティ・プラットフォームは、世界中に数多く存在しています。
プラットフォームに登録したら、参加したいプログラムを探します。プログラムの種類はさまざまですが、主に以下の2種類があります。
- 企業や組織が独自に運営するプログラム
- バグバウンティ・プラットフォームが運営するプログラム
プログラムに参加するには、プログラムのルールを遵守する必要があります。ルールには、脆弱性の発見方法や報告方法、報酬の金額などが記載されています。
バグバウンティプラットフォーム①「Hacker One」
HackerOne は、世界最大のバグバウンティ・プラットフォームです。2012年に設立され、現在では世界中の150万人以上のユーザーが参加しています。
HackerOne では、さまざまな企業や組織がバグバウンティ・プログラムを運営しています。プログラムの対象となるIT資産は、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション、クラウドサービス、IoTデバイスなど多岐にわたります。
HackerOne には、世界中のホワイトハッカーやセキュリティ専門家が参加しており、これまでに 600 億件以上の脆弱性が報告されています。
HackerOne に参加するには、まず HackerOne のアカウントを作成する必要があります。アカウントを作成したら、参加したいプログラムを探します。プログラムの種類や報酬金額は、プログラムによって異なります。
Hacker Oneの特徴
- グローバルなコミュニティ
HackerOne には、世界中のユーザーが参加しています。そのため、さまざまな企業や組織の脆弱性を発見することができます。
- 高額な報酬
HackerOne では、脆弱性の種類や影響度によって、高額な報酬を得られる可能性があります。
- 安全なプラットフォーム
HackerOne では、脆弱性報告の安全性を確保するために、さまざまな取り組みを行っています。
- 豊富なリソース
HackerOne では、脆弱性発見に関するチュートリアルやリソースが豊富に用意されています。そのため、初心者でもバグバウンティに参加することができます。
- コミュニティ
HackerOne には、活発なコミュニティがあります。他のユーザーと交流することで、サイバーセキュリティのスキルを向上させることができます。
バグバウンティプラットフォーム②「Bugcrowd」
Bugcrowd は、世界最大のバグバウンティ・プラットフォームの1つです。2012年に設立され、現在では世界中の100万人以上のユーザーが参加しています。
Bugcrowd では、さまざまな企業や組織がバグバウンティ・プログラムを運営しています。プログラムの対象となるIT資産は、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション、クラウドサービス、IoTデバイスなど多岐にわたります。
Hacker Oneとbugcrowdの共通点と違い
Bugcrowd と HackerOne は、どちらも世界最大のバグバウンティ・プラットフォームであり、基本的な機能やメリットは同じです。具体的には、以下の点が共通しています。
- さまざまな企業や組織がバグバウンティ・プログラムを運営している
- 脆弱性の種類や影響度によって、高額な報酬を得られる可能性がある
- 脆弱性発見のスキルや経験を身につけることができる
一方で、Bugcrowd と HackerOne には、いくつかの違いもあります。
- Bugcrowd は、HackerOne よりもグローバルなネットワークを構築している
- Bugcrowd では、脆弱性の種類や影響度に応じて、より高額な報酬が支払われる場合がある
- Bugcrowd では、脆弱性報告の安全性を確保するために、より多くの取り組みを行っている
これらの違いを踏まえると、Bugcrowd は、以下のような方におすすめのプラットフォームと言えます。
- 世界中の企業や組織の脆弱性を発見したい
- 高額な報酬を得たい
- 脆弱性報告の安全性を確保したい
HackerOne は、以下のような方におすすめのプラットフォームと言えます。
- HackerOne のコミュニティに参加し、他のユーザーと交流したい
- HackerOne のプラットフォームで提供されているリソースやツールを活用したい
バグバウンティプラットフォーム③「Synack」
※https://www.synack.com/solutions/go-beyond-bug-bounty/
Synack は、2013年に設立されたアメリカのクラウドベースのセキュリティテストプラットフォームです。企業や組織のIT資産の脆弱性を、ホワイトハッカーやセキュリティ専門家などのグローバルなコミュニティが、クラウド上で検査するサービスを提供しています。
Synack の特徴は、以下のとおりです。
- クラウドベースのプラットフォーム
Synack は、クラウドベースのプラットフォームで提供されています。そのため、ユーザーは、インターネットに接続できる環境があれば、どこからでもサービスを利用することができます。
- グローバルなコミュニティ
Synack には、世界中のホワイトハッカーやセキュリティ専門家が参加しています。そのため、さまざまなスキルや経験を持つセキュリティ専門家が、IT資産の脆弱性を検査することができます。
- AIと機械学習の活用
Synack では、AIと機械学習を活用して、脆弱性の検査を効率化しています。これにより、より多くの脆弱性を検査することができるようになりました。
Synack は、以下のような方におすすめのサービスです。
- クラウドベースのセキュリティテストプラットフォームを探している
- グローバルなコミュニティを活用して、IT資産の脆弱性を検査したい
- AIと機械学習を活用したセキュリティテストを検討している
Synack は、サイバーセキュリティのスキルを身につけたい方や、サイバーセキュリティの分野でキャリアアップを目指す方にとって、おすすめのサービスです。
バグバウンティプラットフォーム④「YesWeHack」
YesWeHackは、フランスに本社を置くバグバウンティ・プラットフォームです。2015年に設立され、現在では世界中の20万人以上のユーザーが参加しています。
YesWeHack の特徴は、以下のとおりです。
- オープンなコミュニティ
YesWeHack は、オープンなコミュニティを採用しています。そのため、誰でも無料で参加することができます。
- 豊富なリソース
YesWeHack では、脆弱性発見に関するチュートリアルやリソースが豊富に用意されています。そのため、初心者でもバグバウンティに参加することができます。
- グローバルなネットワーク
YesWeHack には、世界中のユーザーが参加しています。そのため、さまざまな企業や組織の脆弱性を発見することができます。
YesWeHack は、以下のような方におすすめのサービスです。
- バグバウンティに参加して、サイバーセキュリティのスキルを身につけたい方
- 無料でバグバウンティに参加したい方
- 豊富なリソースを活用して、バグバウンティに参加したい方
バグバウンティの手法について
バグバウンティの手法は、大きく分けて以下の3つがあります。
- ペネトレーションテスト
- 脆弱性スキャン
- ホワイトボックステスト
手法①「ペネトレーションテスト」
ペネトレーションテストとは、攻撃者になりすまして、システムやネットワークの脆弱性を探すテストです。攻撃者の視点に立って、不正アクセスや情報漏えいなどの被害を起こすことができるかを検証します。
ペネトレーションテストは、バグバウンティの中でも最も一般的に用いられる手法です。対象となるシステムやネットワークの規模や種類に合わせて、テスト方法やツールをカスタマイズする必要があります。
手法②「脆弱性スキャン」
脆弱性スキャンとは、システムやネットワークの脆弱性を自動的に探すツールを用いて行うテストです。脆弱性スキャンツールは、OSやアプリケーションの脆弱性を事前に収集したデータベースを基に、対象のシステムやネットワークをスキャンします。
脆弱性スキャンは、手動で行うペネトレーションテストに比べて、効率的に脆弱性を探すことができます。しかし、脆弱性スキャンツールは、すべての脆弱性を検出できるわけではないことに注意が必要です。
手法③「ホワイトボックステスト」
ホワイトボックステストとは、システムやネットワークのソースコードや設計図などの情報を入手して行うテストです。ソースコードや設計図などの情報を基に、脆弱性を分析し、攻撃シナリオを作成します。
ホワイトボックステストは、ペネトレーションテストや脆弱性スキャンでは発見できない、深刻な脆弱性を発見できる可能性があります。しかし、ソースコードや設計図などの情報を入手できる環境が限られているため、実施が難しいというデメリットがあります。
バグバウンティで見つかりやすい脆弱性
バグバウンティで見つかりやすい脆弱性は、以下のとおりです。
見つかりやすい脆弱性①「XSS(クロスサイトスクリプティング)」
XSSとは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用して、攻撃者のコードをWebブラウザに埋め込むことで、攻撃者の意図した動作を実行させる脆弱性です。
XSSは、Webアプリケーションのセキュリティ対策が不十分な場合に発生しやすい脆弱性です。
見つかりやすい脆弱性②「SQLインジェクション」
SQLインジェクションとは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用して、SQLコマンドを実行させることで、データベースから情報を盗み取ったり、データベースを改ざんしたりする脆弱性です。
SQLインジェクションは、Webアプリケーションの入力チェックが不十分な場合に発生しやすい脆弱性です。
見つかりやすい脆弱性③「認証回避」
認証回避とは、Webアプリケーションの認証機能を回避して、不正にアクセスする脆弱性です。
認証回避は、Webアプリケーションの認証機能の設計や実装が不十分な場合に発生しやすい脆弱性です。
見つかりやすい脆弱性④「権限昇格」
権限昇格とは、本来の権限よりも高い権限を取得する脆弱性です。
権限昇格は、Webアプリケーションの権限管理が不十分な場合に発生しやすい脆弱性です。
見つかりやすい脆弱性⑤「脆弱なパスワード」
脆弱なパスワードとは、推測や辞書攻撃で容易に解読できるパスワードです。
脆弱なパスワードは、利用者のパスワード管理が不十分な場合に発生しやすい脆弱性です。
これらの脆弱性は、攻撃者の攻撃手法として古くから用いられているものであり、バグバウンティでも継続的に報告されています。
ホワイトハッカーはバグバウンティを行うメリット
ホワイトハッカーがバグバウンティを行うメリットは、大きく分けて以下の3つです。
メリット①「脆弱性の発見」
バグバウンティは、脆弱性を発見するための最適な方法の一つです。ホワイトハッカーは、企業や組織のシステムやネットワークを自由に調査して、脆弱性を探すことができます。
バグバウンティによって発見された脆弱性は、企業や組織のセキュリティ対策の強化につながります。また、脆弱性の発見によって、情報漏えいやシステムダウンなどの被害を未然に防ぐことができます。
メリット②「収入の増加」
バグバウンティでは、脆弱性の発見に応じて報酬を受け取ることができます。脆弱性の種類や影響度によって報酬の金額は異なりますが、高額な報酬を得られる可能性もあります。
ホワイトハッカーは、バグバウンティに参加することで、収入の増加を図ることができます。また、バグバウンティに参加することで、脆弱性発見のスキルを身につけることができ、将来的にサイバーセキュリティの専門家として活躍する道につながる可能性もあります。
メリット③「スキルアップ」
バグバウンティに参加することで、脆弱性発見のスキルを身につけることができます。ホワイトハッカーは、OSやアプリケーションの動作原理、攻撃手法の知識、脆弱性検査の技術など、幅広いスキルを身につける必要があります。
バグバウンティは、サイバーセキュリティのスキルアップに最適な方法の一つです。バグバウンティに参加することで、サイバーセキュリティの専門家として活躍するための基礎を身につけることができます。
具体的には、以下のスキルを身につけることができます。
- OSやアプリケーションの動作原理
- 攻撃手法の知識
- 脆弱性検査の技術
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
バグバウンティは、企業や組織のセキュリティ対策を強化し、サイバーセキュリティのスキルアップに役立つ有効な手段です。
メリット④「社会貢献」
バグバウンティによって発見された脆弱性は、企業や組織のセキュリティ対策の強化につながります。また、脆弱性の発見によって、情報漏えいやシステムダウンなどの被害を未然に防ぐことができます。
ホワイトハッカーは、バグバウンティに参加することで、社会に貢献することができます。
メリット⑤「コミュニティへの参加」
バグバウンティは、ホワイトハッカーのコミュニティが活発に活動しています。バグバウンティに参加することで、他のホワイトハッカーと交流し、情報交換を行うことができます。
ホワイトハッカーは、バグバウンティに参加することで、コミュニティの一員として、他のホワイトハッカーと協力して、サイバーセキュリティの向上に貢献することができます。
まとめ
バグバウンティは、企業や組織のセキュリティ対策を強化し、サイバーセキュリティのスキルアップに役立つ有効な制度です。
バグバウンティに参加するには、以下のスキルや資質を身につけることが重要です。
- OSやアプリケーションの動作原理
- 攻撃手法の知識
- 脆弱性検査の技術
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
これらのスキルや資質を身につけるためには、書籍やオンラインのトレーニングコース、セキュリティコンテストなどを利用して、学習を進めることができます。
また、バグバウンティに参加するプログラムによっては、参加条件として、これらのスキルを証明する資格を取得していることを求めている場合があります。
バグバウンティに参加したい方は、まずは必要なスキルや資質を身につけることから始めましょう。
また、バグバウンティに参加する前に、プログラムのルールやポリシーをよく確認しておくことが重要です。
バグバウンティは、ホワイトハッカーにとって、スキルアップや収入の増加、社会貢献など、さまざまなメリットのある制度です。
バグバウンティに興味のある方は、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。
以下に、バグバウンティに参加する際の注意点をまとめました。
- プログラムのルールやポリシーをよく確認する
- 脆弱性を発見したら、正しく報告する
- 報告内容が正確であることを確認する
- 報告内容を公開する前に、プログラム運営者の許可を得る
これらの注意点を守ることで、バグバウンティをより効果的に活用することができます。
バグバウンティを通じて、サイバーセキュリティの向上に貢献しましょう。