【人工知能を読み解く③】人工知能の歴史② 〜第二次人工知能ブーム〜

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皆さん、こんにちは。 ロイです。

シリーズ「人工知能を読み解く」第三回の今回は第二次人工知能ブームについてお話してきたいと思います。

前回、第二回では第一次人工知能ブームについてお話しました。

簡単にふり返ると、

・1956年のダートマス会議で初めて「人工知能(AI)」と言う言葉が使われた

・「推論」と「探索」についての研究が行われた

・パーセプトロンが開発された

・ハードウェアや技術的問題でブームがさり「冬の時代」に突入した

でした。

詳しくは記事を読んでいただければと思います。

第二次人工知能ブーム

第二次人工知能ブームは1980年代が主な時期になっています。

第一次人工知能ブームが収束して役20年、家庭用PCやインターネットが普及してきたタイミングで第二次人工知能ブームが訪れました。

第二次人工知能ブームでは主に「知識表現」についての研究が行われました。

主な研究として「エキスパートシステム」の研究が盛んにおこなわれました。

また、ニューラルネットワーク関連では「誤差逆伝搬法」が開発されました。

エキスパートシステムとは??

「エキスパートシステム」。

なんだか複雑なワードが登場してきました。

簡単にいうと「人間がコンピュータに大量の専門的な知識を覚えさせ、現実問題を解かせることを試みる」というアプローチです。

例えば病気の診断システムを作ろうとする試みでは、「XXの症状が見受けられた場合は、△△という病気だと診断する」といったように、医師などの特定の専門家の知見をコンピュータに入力しました。このような診断システムによって素人でも専門家と同等の判断ができることを目指しました。

この方法は現在身近なところでは「この商品を買った人はこの商品も購入しています」などのシステムに応用されています。

MYCIN(マイシン)

エキスパートシステムの代表的なシステムとしてスタンフォード大学で1970年代に開発された「MYCIN」というシステムがあります。

このシステムは伝染病の血管疾患の患者を対話的に診断して処方する抗生物資を決定するというシステムです。

ルールの例として

(defrule 52
   もし、培地は血液であり
 if  (site culture is blood)
      グラム染色はネガティブであり、
     (gram organism is neg)
      細菌の形が棒状であり、
     (morphology organism is rod)
      患者の痛みがひどい、なら、
     (burn patient is serious)
 then .4
      細菌は緑膿菌と判定する
     (identity organism is pseudomonas))

がプログラムされていれば 
診断のための対話では

Q:培地はどこ?
A:血液
Q:細菌のグラム染色による分類の結果は?
A:ネガティブ
Q:細菌の形は?
A:棒状
Q:患者の痛みはひどいか、ひどくないか?
A:ひどい
→pseudomonas(緑膿菌)と判定

という結果を吐き出します。

このMYCINシステムの性能は診断結果は65%の正しさであり細菌感染の専門家でない医師よりは良い結果を出しましたが専門家よりは劣る結果でした。

ニューラルネットワークとは??

第一次人工知能ブームではニューラルネットワーク関連の研究で「パーセプトロン」と呼ばれる技術を軽くお話しました。

「パーセプトロン」は人工知能の基礎的な技術になります。

「ニューラルネットワーク」は人工知能を実装する技術の一種であり代表的な技術です。

「ニューラルネットワーク」は「パーセプトロン」の考え方を応用した技術です。

入力層から来たデータが隠れ層(中間層)を通過し、最後に出力層で求める出力を表現します。隠れ層(中間層)に関しては、実装に応じて複数の層にまたがる場合があります。

隠れ層(中間層)が2層以上になるものを深い(Deepと表現し、深層学習(Deep Learningと呼びます。

ニューラルネットワークとパーセプトロン、図表した時の形はかなり似ています。

両者の違いは入力に対して最終的な出力を行う際に使用する関数が異なることです。

そして、ニューラルネットワークはパーセプトロンで手動で行わなければいけなかったパラメータ(重み・バイアス)の設定を入力されたデータから学習し、自動で設定することが可能になりました。

数学的に異なってきます。この技術的・数学的な話をしてしまうと人工知能の歴史という話から大きく脱線してしまう為、今後詳しくお話しようとか投げています。

誤差逆伝搬法とは??

第二次人工知能ブームでニューラルネットワーク関連として発達した技術として代表的なものとして「誤差逆伝搬法(バック・プロパゲーション)」が存在します。

誤差逆伝搬法は1986年に米スタンフォード大学のラマルハート教授らが発表した多層階層型ニューラルネットワークの学習方法になります。

入力層へある情報が与えられたら、出力層はそれに対応したある情報を出力しなければならない場合の学習方法になります。

例として犬の画像データを与えます。

出力値との誤差を逆に伝搬し、正しい出力を行える重み(パラメータ・バイアス)になるように調整します。


例では、犬の画像データを与えているため出力で犬という結果げ返ってくるように調整します。(ニューラルネットワークであるためパラメータは自動で設定が可能です。)

数学的に話をすると、最急降下法(勾配法)や合成関数の微分の連鎖律(チェインルール)、シグモイド関数の導関数など様々な技術が使われています。
とても面白い話ですが今回は省きます。

誤差逆伝搬法は詰まるところ「出してほしい結果を出すために忖度してくれ」といったところでしょうか。

第二次人工知能ブームの終焉

何事にも終焉・最後は訪れます。

第一次人工知能ブームと同様に第二次人工知能ブームも多くの課題が見つかり冬の時代に突入することになります。

まず知識表現に関する1つ目の課題として、「膨大な判断をするためのポイント(無数の条件)を人間が教える必要があるので専門知識の入力コスト大きい」という点。

2つ目の課題は「定式化できない曖昧な事象に対応することが難しいため、汎用性を持たせることができない」という点。

3つ目の課題は「知識量が多すぎると矛盾が生じてしますケースがある」という点。

4つ目の課題は「条件が変化するたびに更新を行う必要があり、運用が容易ではない」という点。

ニューラルネットワークに関する1つ目の課題としては、「階層を増やすと表現力は向上するが、膨大な計算量が必要になり、計算能力が不足する」という点。

2つ目の課題は勾配消去問題、過学習などの技術的課題。

3つ目の課題はSVM(サポートベクターマシン)など、性能の良い識別器の登場などです。

以上のような多くな課題に直面し、第二次人工知能ブームは終わりを告げ、2010年頃から始まる第三次人工知能ブームまで「冬の時代」を迎えることになりました。

まとめ

今回は「第二次人工知能ブーム」についてお話していきました。

第二次人工知能ブームでは主に知識表現に関する研究が行われました。

MYCINといったシステムが登場し、現在利用されているレコメンド機能などに応用されています。

また、ニューラルネットワーク関連ではより複雑な表現ができる技術が発展していき現在の第三次人工知能ブームにつながるような技術が登場しました。

しかし、多くの技術的課題に直面しブームは去っていきました。

以上が第二次人工知能ブームに関するお話になります。

次回は2010年ごろから始まる「第三次人工知能ブーム」についてお話していきたいと思います。

また、お話の中でもお話して通り技術的・数学的な部分も今後詳しくお話していこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。次回もよろしくお願いいたします。

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