【PCの内側①】パソコンの頭脳:CPU編
こんにちは。ロイです。
前回・前々回でおすすめのパソコンをご紹介してきました。
今回からは、よりパソコン選びが分かり易く・楽しくなるためにパソコンがどんなパーツ・部品で出来ているのかをシリーズ形式でお話していきたいと思います。
第1回目は「パソコンの頭脳部分:CPU」についてみていきたいと思います。
これから、パソコンを勉強する方やパソコンを自作しようと考えている方・増設を考えている方必見です。
今後もおすすめのパソコン紹介続けていきますのでお待ちくださいね!(^^)!
CPUとは??
「CPU」聞いたことはあるけどよく分からないと言う方は多いかと思います。
まずは「CPU」とは何なのか。
Wikipediaによると
CPU(シーピーユー、英: Central Processing Unit)、中央処理装置(ちゅうおうしょりそうち)または中央演算処理装置(ちゅうおうえんざんしょりそうち)は、コンピュータにおける中心的な処理装置(プロセッサ)。コンピュータの頭脳に例えられることが多い。
具体的に行われる処理・作業としては、キーボードやマウス、ハードディスク、メモリ、周辺機器などからのデータを受け取りそれらのデータを処理・演算を行います。
ちなみに、パソコンは2進数、つまり0,1ですべてのデータを処理しています。ですのでここで出てくる演算もすべて2進数での計算になっています。(普段私たちが使う数字は10進数です。)
性能と仕様について
性能や仕様をお話しする前にこれから出てくる用語の意味をざっくりお話しします。
聞きなれない単語や拒否反応を起こしそうな単語も出てきますが、耐えてください(笑)
これらの単語の意味が分かれば一気にCPUについての理解が深まります!
①コア
コアとはCPUの処理を実際に行う部分の名前です。つまりはCPUの核です。
現在ではCPUの処理能力を向上させるためにこのコアを複数搭載する「マルチコア」システムが主流になっています。
ちなみにコア数と呼び方は
・1コア・・・シングルコア
・2コア・・・デュアルコア
・4コア・・・クアッドコア
・6コア・・・ヘキサコア
・8コア・・・オクタコア
・12コア・・・ドデカコア
・16コア・・・ヘキサデカコア
読み方は英語ではなくラテン語由来とギリシャ語由来の多角形の読み方を混在して使用されています。
現在は32コアや64コアのCPUも存在しています。
CPUの性能を簡単に上げようとすればコア数を拡充することです。しかしながらコア自体にも性能差が存在するため、CPUを比較する際コア数が多いから性能が高いとは限りません。
同じコア数でもタブレット・スマホ用のコアとデスクトップ・ノート用のコアでは性能が大きく異なります。それは、用途によって行う処理・演算の差や搭載できるほかのパーツの物量が異なるからです。
コア数が多いメリット
・性能の向上
・マルチタスクの処理を行う際に有利
→コアが増えればそれだけ多くの作業を一度に行うことができます。スマホなどは多数の処理を求められるためコア自体の性能よりコア数のほうが重視される傾向が強いです。
・動画のエンコードなどの用途に最適
→細かい処理を大量に行う場合も有利に働きます。
コア数が多いデメリット
・1コアあたりの性能が落ちる
→コアは並列化処理で用いることで複数コアを実現しています。並行化処理を行うと利用するコアの数が多いほど1コアあたりの性能が落ちてしまします。
・発熱量の増加
→コアも発熱します。コアの数を増加するとその分発熱量が増加します。そのため、CPUを冷却するファンの増強やPC内部の熱排気の効率化が必要になってきます。
・消費電力の増加
→発熱量同様、コア数が増加すれば消費電力が増加します。そのため、電源ユニットやバッテリーの性能に気を配る必要が出てきます。
②スレッド数
スレッド数とは同時に処理を行うことができる作業の単位になります。スレッド数が多ければ多いほどより同時に処理を行うことが可能になります。
原則は1コアにつき1スレッドでした。しかし、現在では「ハイパースレッディング」と呼ばれる技術が開発されており1コアで2スレッドを処理できるようになっています。つまりは仮想的に1コアを2コアにしているといえます。
分かり易画像があったので載せておきます。(画像引用元:富士通WEB)
ちなみに「ハイパースレッディング」はインテル社の呼び名であり、AMD社ではSMT(サイマルテイニアス・マルチ・スレッディング)と呼ばれています。
「ハイパースレッディング」は上記でもお話したとおり、仮想的にコア数を増やしているに過ぎません。つまりは実際にコア数自体は増加していないので処理速度は変わりません。4コア4スレッドと4コア8スレッドでは前者のほうが高品質になります。
「ハイパースレッディング」が効果を発揮する場面はマルチタスク処理になります。同時に多くの処理を行うことができる為、作業時間の短縮につながり、CPUの性能が高いかのように錯覚します。
③動作周波数(クロック数)
動作周波数とはCPUのデータの処理の速度を示したものになります。
パソコンは0と1の2進数で動いています。つまりはONかOFFで動いています。どちらかしかあり得ません。(この原則を壊したのが量子コンピュータ)
このONとOFFの切り替えが速ければ速いほど同じ時間でより多くの情報を処理することが出来性能が高くなるという理屈になります。
つまり、動作周波数とはこの切り替えのスピードを示す数字にいるのです。
動作周波数(クロック数)を表す単位は「Hz」(ヘルツ)になります。物理学などでは1秒間に何回振動したのかを表す際に使用される単位です。CPUの場合ですとONとOFFの切り替えが1秒間に何回行われたのかを表しているようなイメージになるかと思います。
単位「Hz」(ヘルツ) | |
1Hz(ヘルツ) | 1秒あたり1回 |
1KHz(キロヘルツ) | 1秒あたり1000回 |
1MHz(メガヘルツ) | 1秒あたり100万回 |
1GHz(ギガヘルツ) | 1秒あたり10億回 |
1THz(テラヘルツ) | 1秒あたり1兆回 |
世界で初めて作られてCPUは375KHzの性能でした。それからすぐにMHzの性能の物が登場することになります。そして、現在に至るまでインテル社とAMD社が熾烈な開発競争を繰り広げ新商品が発表される度に動作周波数(クロック数)は上昇していきました。
そして現在ではノート・デスクトップ用では5GHz、タブレット・スマホ用では2.5GHzあたりの性能のものが登場しています。
※OC(オーバークロック)
一部のCPUには「オーバークロック」と呼ばれる機能が存在しています。この「オーバークロック」機能はCPU本来の定格動作周波数(クロック数)以上で動作させることにより処理能力を向上させる機能です。「オーバークロック」は処理能力を向上させる事が出来ますがCPUの故障率は格段に上昇します。また、故障しても基本メーカーの保証対象外になります。そのため「オーバークロック」は上級者向けになります。
④内蔵GPU
そもそもGPUとは「Graphics Processing Unit」の略であり主に3Dグラフィックスなどといった画像描画や動画処理を行う際に必要となる計算処理を行うユニットになります。処理・演算を行うといった部分ではCPUと変わりませんが、大きく違う部分は処理・演算の内容をグラフィックスに特化させているということです。CPUは複雑な処理・演算を行うことが出来ますが、GPUは定型的な処理・演算しか行うことが出来ません。しかしながら処理速度はCPUの数倍から数百倍以上で行うことが出来ます。
現在では、グラフィックスだけでなく高度で高速の演算ができることから人工知能の一分野であるディープラーニングやビットコインの基礎技術であるブロックチェーン技術にも用いられています。
内蔵GPUはこれらの機能をCPU内部に組み込んだ機能になります。(本来GPUは単体のパーツが存在します。)
内蔵GPUのメリット
・コストを抑えられる
→GPUはPCパーツの中でも高価なものになります。数万円から数十万円します。それに比べ内蔵GPUであればCPUのもの金額に抑えることが出来ます。
・消費電力・スペースの削減
→単体のGPUに割く電力・スペースを削減できるためスペースがなくても運用することが可能になります。また電力消費量が落ちるためパソコン自体の熱量も下がり安定的に作業が行えます。
内蔵GPUのデメリット
・GPU性能が単体のものと比べかなり劣る
→内蔵GPUはその特異性から単体のものと比べ性能がかなり落ちます。メモリや電力・スペースなどの制約が多くあり性能を向上させるのが非常に難しくなっています。しかし、最近では性能も向上しており高画質な動画であれば問題なく視聴出来ます。また、3Dゲームなどを遊びたい場合は内蔵GPUではスペック不足になるため単体のGPUが必要になります。
⑤その他の用語
・キャッシュメモリ
キャッシュメモリとはCPUに内蔵されているメモリになります。別途パソコンに搭載されているメモリ(メインメモリ)とは異なる物になります。
キャッシュメモリは頻繁に使用される処理をスピードアップのために蓄えることが出来ます。メインメモリよりも蓄えることのできるデータ量は少ないですが処理のスピードがけた違いに速いため頻繁に使用するデータはキャッシュメモリに蓄えられ高速処理されます。
キャッシュメモリの容量が多いほど高性能なCPUと言えます。
しかし、キャッシュメモリは容量が大きくなればなるほど処理速度が遅くなってしまいます。そのため現在のキャッシュメモリは階層構造で設計されており1次・2次・3次キャッシュメモリで構成されています。(表記としてはL1、L2、L3になります。)1番使用頻度が高いデータを1次に次に高いものを2次に蓄え処理していきます。このような階層構造をとり最適なデータの蓄えを行うことで処理速度を落とすことなくキャッシュメモリの容量を多くすることを実現しています。
しかし、どのモデルのCPUでもキャッシュメモリの容量は大きく大差はないのであまり気にする項目ではありません。
・システムバス
システムバスとは、コンピュータ内部で各装置間を結ぶデータ伝送路(バス)のうち、CPUと他の装置を接続するためのもの。システムの大動脈となる重要な伝送路で、その性能がシステム全体の性能を大きく左右する。
(引用元:IT用語辞典 システムバスページより)
まとめ
CPUはパソコンの「頭脳」になります。つまりはパソコンの核なる部分です。CPU以外の部分をいかにハイスペックなパーツにしてもデータの処理・演算能力はCPUに依存してしまうためあまり意味をなさなくなってしまいます。
そこで大切なことはCPUがどのような能力を持っているのか把握する事だと思います。
しっかりと把握する事によってパソコン選びやパソコンを自作する際に正確にスペック・適正価格などを把握出来るのではないでしょうか。
パソコンを選ぶ際に着目して欲しいCPUのスペック
・コア数とスレッド数
→スレッド数が唯多いだけでは意味がない。コア数とスレッド数が共に多いほうがスペックは高くなる。
しかし、性能が高ければ高いほど価格・電力消費・発熱量等は高くなるので注意すること。
・動作周波数(クロック数)の数値
→現在はデスクトップ用で5GHz、スマホ用で2.5GHz程度。
・内蔵GPUの有無
→既製品のノートパソコンやデスクトップはCPUに内蔵されている物がほとんど。一部ゲーミング用などのハイスペックパソコンには単体のGPUが搭載されている。AMD社製のCPUには搭載されていないモデルが多いので注意すること。
以上、CPUの解説になりました。
今後、他の部品・パーツのご紹介・解説をしていくと同時に製品紹介もしていくつもりです。
ご意見・ご感想等ありましたらコメント欄もしくはお問い合わせよりお待ちしております。
それでは、また次回でお会いしましょう!!