【PCの内側②】パソコンの海馬:メモリ編

皆さん、こんにちは。ロイです。

今回は「PCの内側」シリーズ第2回。

現代ではパソコン、タブレット、スマホなど多くの端末が存在しています。

それらのスペック表などには「メモリ」という言葉が必ず表示されています。

多くの方が「メモリ」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。

しかし、「メモリ」がどのようなもので、どのような役割を果たしているのかしっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。

そこで第2回は「パソコンの海馬:メモリ編」をお送りいたします。

これから、パソコンを勉強する方やパソコンを自作しようと考えている方・増設を考えている方必見です。

前回はシリーズ第1回として「パソコンの頭脳:CPU編」をお送りしました。

まだ、読んでいない方はぜひそちらもチェックしてみてください。

メモリとは??

 

まず初めに「メモリ」の説明をしていきましょう。

コンピュータを構成する装置の一つで、CPU(MPU/マイクロプロセッサ)などから直接読み書きすることができる記憶装置のことを「主記憶装置」(main memory:メインメモリ)というが、通常はこれを略してメモリと呼んでいる。

引用元:IT用語辞典メモリページより

「メモリ」とはパソコンやタブレット・スマホで作業をする際に必要不可欠なパーツになります。

パソコンで作成する文章や情報などいろんな作業の内容を、一時的に記録するために使用されます。

「メモリ」に記憶できる容量が多ければ多いほどマルチタスクや動画や音楽といった大きなデータを素早く処理することが可能になります。

とても重要なパーツになります。

よく使われる例え話では「メモリ」は作業を行うための机・作業台と表現されています。

何かしらの作業をする際にそれらに関連する資料や道具を机・作業台に準備して作業を行うかと思います。その際、机・作業台が広ければ作業も行いやすく作業効率も上がります。また、他の人も机・作業台を使用できマルチタスクが可能になります

 

 

ここで一つに疑問が発生するとかと思います。

「メモリ」は情報を記憶する装置であると言っているけどパソコンやスマホにはHDDやSSDといったストレージが存在していますよね。

これらストレージもパソコンの情報を記憶保存するパーツになります。「メモリ」との役割の差は何でしょうか??

 

メモリとストレージの違い

まず、メモリやストレージなどのような記憶装置には「不揮発性」と「揮発性」と呼ばれる特性があります。

 

  記憶能力 速度 価格
不揮発性 電力供給がなくても記憶可能 遅い 安価
揮発性 電力供給がないと記憶不可能 速い 高価

 

表にまとめた通り「不揮発性」は(外部からの)電力供給がなくてもデータを記憶しておくことが可能です。つまりは、パソコンなどの電源を落としてもデータが保存できており再度利用することが出来ます。そのためデータの長期保存・記憶に適していま。しかし、データを磁気ディスクに書き込んで保存するため読み書きの速度は遅いです。HDDやSSDなどといったストレージに用いられています。

揮発性」は(外部からの)電力供給がなくなるとデータが消えてしまいますデータを一時的にしか保存することが出来ません。つまり、パソコンの電源を落としてしまえばデータはすべて消え初期化されます。しかし、データの読み書きの速度は速いです。

 

「不揮発性」・・・HDDやSSDなどストレージに使用される。

「揮発性」・・・メモリ(主記憶装置)に使用される。

 

このように、特性によってメモリとストレージは使い分けがされておりどちらもパソコンを構成するパーツとして重要な要素になります。

メモリ(主記憶装置)の性能

「メモリ」はデータを記憶するパーツです。そのため、「メモリ」の性能は「容量」という点で比較することが出来ます。

古いパソコンや格安のパソコンなどで起動が遅い・処理が重いといった症状が出ることがあるかと思います。それの主な原因がメモリ不足になります。

メモリの容量が少ないと、パソコンを正常に動作させるために必要なデータの書き込みが満足に行えない為、動作が不安定になってしまいます。

 

 

メモリが少ないとどうなるのか?

スピードが遅い

パソコンの動作速度が落ちてしまします。ソフトの立ち上げに時間がかかるということはメモリ不足が起因しています。

ファイルが開かない

速度が遅いどころかファイルを開こうするも開けない・動きが止まってしまう事もあり得ます。特に動画編集や画像編集などといったメモリを大量に使用しなければいけないソフトは要注意です。

フリーズしてしまう

不意のフリーズが発生する頻度が多くなります。作業中の突然のフリーズによりそれまでの作業データが飛んでしまう可能性が存在します。また、イライラが募り精神的にも悪影響を及びます。そして、パソコン自体にも大きな負荷がかかるので故障の原因になりえます。

 

このようにメモリの容量が少ないとパソコンの挙動に大きな影響を及ぼします。

 

メモリの容量

メモリの容量は2進数の8ビット=1バイトを基準としてどれだけのデータを一時的に保存できるかということを表しています。

昔のWindows 98のパソコンでは、メモリ1枚の容量は32MBや64MBなどでしたが、現在では4GBや8GBなどといった大容量メモリが市販のパソコンにも標準搭載されています。技術の発展はすごいです(#^^#)

256MBの倍数と覚えるとわかりやすくなっています。1024MBで1GBです。

市販されているメモリは2GB、4GBなどで、最近では8GBや16GBのメモリも多く市販されています。

また、複数のメモリをパソコンに搭載することも可能でありその場合、単純にそれを足したものがパソコンの総メモリ量となります。

4GB のメモリを2個付けたら、メモリ容量は 8GB になります。

この場合、8GBのメモリを1個付けたのと同じです。

ただ、メモリスロット(メモリを取り付ける場所)が2つしかない場合、2個のメモリをつけるとそれ以上追加できなくなります。

大容量のものを1つだけ付けた場合は、まだ1スロット余っているので追加が可能です。

しかしメモリは大容量のものほどお値段が高くなります。
どの容量のものをどれだけ搭載するかは、パソコンろお財布と要相談しながら決めていきましょう!(^^)!

メモリの種類・規格

メモリにももちろんいくつかの種類と規格が存在しています。

メモリが出された時期によってメモリの速度や形状が異なります。もちろん、新しいメモリの方が速度も速く容量も大きくなっています。

しかしながらメモリの搭載に関してはパソコンのマザーボード・CPUなどに大きく依存するため適切な規格の物を搭載しなければいけません

もし、追加でメモリを搭載するのであれば対応しているメモリの規格を先に調べることが必要です。

メモリの規格は半導体標準化団体 JEDECにより規格化されおり基準にする規格により2種類の規格が存在します。

「DDR」規格・・・チップ規格

「PC」規格・・・モジュール規格

この2種類の規格は互いに対応しています。しかし、DDR規格のほうが分かり易い表記になっており一般的にはこちらの規格が優先的に使用されています。

 

DDR

DDRとは「Double Data Rate」の略になっています。コンピュータ内の各回路間で同期を取る際に、クロック信号の立上がり時立下がり時の両方を利用する方式です。

つまりは、読み込みと書き込みを同時に行うことが出来る方式になります。DDR以前の規格は読み書きを同時に行うことが出来ず処理を交互に行われており速度出ませんでした。しかしながら同時に読み書きができることになり速度が格段にアップしました。

この規格は2001年ごろに登場し2005年頃まで使用されていました。そのため2020年現在では使用されていません。一部の古いパソコンでは見る機会もあるかもしれません。

DDR2

DDRを改良した規格になります。2004年頃から2010年頃まで使用されていました。

データの先読み機能によりDDRの2倍の速度でデータの処理が可能になりました。また電力消費も改善されました。

DDRとは互換性がないため、DDR規格のパソコンには搭載できません。

 

チップ規格 モジュール規格 動作周波数(クロック数) 転送速度
DDR2-400 PC2-3200 400MHz 3.2GB/s
DDR2-533 PC2-4200 533MHz 4.2GB/s
DDR2-667 PC2-5300 667MHz 5.3GB/s
DDR2-800 PC2-6400 800MHz 6.4GB/s

DDR3・DDR3L

DDR2をさらに改良した規格。

データ先読み機能の倍増によりDDR2 のさらに2倍の速度で読み書きが可能になり、電力消費もさらに改善されています。

この規格が登場したのは2007年頃ですが登場した際は価格が高くあまり普及しませんでした。

しかし、DDR3を専用のメモリとする CPU「インテル Core シリーズ」の登場により 2009 年頃から急速に普及。その後、長く主流を務めています。DDR2 との互換性はありません。

DDR3LはDDR3を低電圧でも動作するようにした省電力タイプになります。

ノートパソコンやサーバーなど、省エネが重視されるパソコン向けに開発されたものです。

登場は 2008 年でしたが、価格の問題があって普及せず、本格的に使われるようになったのは薄型ノートやタブレットが普及し始めた 2012 年以降になってからです。

基本の性能は DDR3 と変わりません。

チップ規格 モジュール規格 動作周波数(クロック数) 転送速度
DDR3-800 PC3-6400 800MHz 6.4GB/s
DDR3-1066 PC3-8500 1066MHz 8.5GB/s
DDR3-1333 PC3-10600 1333MHz 10.6GB/s
DDR3-1600 PC3-12800 1600MHz 12.8GB/s
DDR3-1800 PC3-14400 1800MHz 14.4GB/s
DDR3-2000 PC3-16000 2000MHz 16.0GB/s
DDR3-2133 PC3-17066 2133MHz 17.066GB/s

DDR4

2015 年から登場した、現在主流のメモリです。

構造を改良し、内部のデータ処理を分散化できるようにしたことで、DDR3 のさらに2倍の速度でデータを読み書きが可能になっています。

省電力化もさらに進み、メモリの最大容量もアップ、信号の品質も改良し、エラーチェック機能も強化されました。

ただし、DDR3 との互換性はありません。

チップ規格 モジュール規格 動作周波数(クロック数) 転送速度
DDR4-2133 PC4-17000 2133MHz 17GB/s
DDR4-2400 PC4-19200 2400MHz 19.2GB/s
DDR4-2666 PC4-21300 2666MHz 21.3GB/s
DDR4-3200 PC4-25600 3200MHz 25.6GB/s

サイズの規格

メモリにももちろん大きさが存在します。

デスクトップ用・ノート用では大きさが異なり互換性がないため適切な大きさの規格を選ぶ必要があります。

大きさの規格は「DIMM」と呼ばれます。

デュアル・インライン・メモリー・モジュール」の略で、「基板にメモリーチップがたくさん付いたパーツ」という意味であり、つまりはメモリ自体のことです。結局はメモリのことを専門用語で表しているに過ぎません。

しかし、一般的には「通常の大きさ(デスクトップ用)のメモリ」をさして使われます。

この「DIMM」の規格よりも小さい規格で「SO-DIMM」という規格が存在します。「DIMM」の頭についている「SO」は「スモール・アウトライン」の略であり、小型のメモリであることを示しています。

この「SO-DIMM」よりも小さい規格として「MicroDIMM」という規格が存在します。

これら小型メモリは、ノートパソコンやモニター一体型のような小さいパソコンのために作られたものです。

よって一般的なデスクトップパソコンでは使用されません。

また、これらのパソコンはパーツの交換を一般のユーザーが行うことは少ないため、あまり市販されておらず、出回っている種類も少なめです。

ノートパソコンを自分でカスタマイズしているマニアな人以外、気にする必要はないでしょう。

小型のパソコンはパーツの形状を独自に変えている場合があり、一般規格のパーツをそのまま付けられないこともあります。

サイズが小さいメモリは、容量も少なめになります。

小サイズで大容量のメモリもありますが、特殊な製品になるのでかなり高額です。

まとめ

今回は「メモリ」についてお話していきました。

メモリで一番重要なことは「容量」になります。

また、マザーボードやCPUによって規格が存在しているということです。

DDR・・・windowsXP

DDR2・・・windowsXP,Vista

DDR3・・・winodows7,8

DDR4・・・windows10

一概には言えませんがメモリとwindowsの関係性は概ね上記の通りになります。

こちらを参考にするとともにパソコンの規格をしっかりと把握し増設等を行うことをお勧めします。

以上、「メモリ」の解説になります。

今後、他の部品・パーツのご紹介・解説をしていくと同時に製品紹介もしていくつもりです。

ご意見・ご感想等ありましたらコメント欄もしくはお問い合わせよりお待ちしております。

それでは、また次回でお会いしましょう!!

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